
先生、えんぴつの箱(はこ)にかいてある、「間伐材(かんばつざい)」ってなんですか?

いいところに気づいたね!
間伐材や森は私たちの生活にひつような、水や空気につながっているんだよ。
いっしょに学んでいこう。
森林のはたらきって知っている?
日本の国土の約70%は森林。
森林はさまざまな場面(ばめん)で、私たちのくらしをささえています。
森林はどのように私たちとつながっているのでしょうか。




私たちがのむ水は、おもに森林で作られます。
森林にふった雨や雪は、すぐに森林から流れ出ることはなく、地中(ちちゅう)にしみこみ、地下水となりゆっくり流れでます。
地下水は、地層(ちそう)のすきまや、岩のわれ目を通るうちに適度(てきど)のミネラルがとけていくので、おいしい水になります。
また、雨がずっとふらなくても、川の水がなくなりません。
森は、雨のふる時とふらない時とで、川の水の量(りょう)の変化(へんか)を小さくしてくれています。




森の中では、強い雨が降っても、下草(したくさ)や落葉(らくよう)、
腐葉土(ふようど)が、雨つぶのいきおいを弱めてくれ、ふかふかの土の中へ雨がしみこんでいくので、流れ出る土の量を大幅(おおはば)に少なくしてくれます。
そして、木の根の力で、土砂が流れ出たり、くずれたりするのを防(ふせ)いでくれています。


木は、葉っぱが光合成(こうごうせい)することで、小さな苗木(なえぎ)から大きな木に成長しながら、
空気中の“CO₂(二酸化炭素(にさんかたんそ))”をどんどんすいこんで、“C (炭素(たんそ))”として幹(みき)や枝(えだ)などに貯(た)めこんでいきます。
このはたらきが、地球温暖化防止に役立ってくれています。


地球温暖化のしくみ
地下にある石油などの化石資源(かせきしげん)を使いつづけていると、大気中のCO₂など※の割合(わりあい)がどんどん増えて、地球が温室みたいに熱をため込んで、だんだん暖かくなっていっちゃうんだよ。世界では、このCO₂などの割合を少しでも減(へ)らしていこうとしているんだ。
※温室効果(おんしつこうか)ガス

たくさんの木が、地球温暖化(ちきゅうおんだんか)のおもな原因である
CO2(二酸化炭素(にさんかたんそ))をすいこみ、O2(酸素(さんそ))を作っています。
このほかにも、森は野生動物(やせいどうぶつ)のすみかになったり、キノコや果物などの食料、家や紙などを作るためにひつような木材などをはぐくんでいます。
森を歩くとここちよく、私たちにやすらぎをあたえてくれます。

そうなんだ!
木や森はぼくたちのしらないところで、たくさんのはたらきをしているんだね。

でも、このえんぴつやじょうぎは、木をきって作られているんでしょ?
森がなくなっちゃうんじゃないの?

そうだね。
でも、木をきるのは悪いことじゃないんだよ。
木をきって木材や木製品(もくせいひん)になっても、炭素(たんそ)は木の中に貯(たくわ)えられたままなのよ。
木材は、「炭素の缶詰(かんづめ)」とも言われていて、みのまわりのものを木製品に変えていくことは、大気中(たいきちゅう)の二酸化炭素を固定化(こていか)していることと同じとも言えるのよ。


森林を元気に大きくそだてるために、木をきって、木のこみぐあいをちょうせいする作業のことです。
森には2つのタイプがあります。
森のしゅるい
天然林(てんねんりん)

自然(しぜん)の力でどんぐりなどが発芽(はつが)して森林になったもの。
世界遺産(せかいいさん)や自然公園(しぜんこうえん)などの守るべき森林がおおいので、とくに理由(りゆう)がないかぎり、木が大きく成長してもきることはない。
人工林(じんこうりん)

人の手で苗木(なえぎ)をうえてそだて、森林になったもの。
人工林は木をうえたあとに間伐をおこなわないでいると、木どうしがこみあってしまい、太陽の光があたらなくなります。
手入れをされない人工林は、大きくそだつことができず、「森のはたらき」を十分(じゅうぶん)に発揮(はっき)できなくなってしまいます。
間伐は、森を大きくそだてるために必要なことなのです。





人工林は木をきらないと森がそだたないんだね!

そのとおり!
人工林は、言ってみれば「木の畑」。
うえられてから30~50年がたち、ちょうど収穫期(しゅうかくき)を迎(むか)えているのよ。
森林の循環(じゅんかん)サイクル
日本の国土の約70%は森です。
そのうちの約40%はスギやヒノキを中心とした人工林です。
人工林は、人が間伐作業(かんばつさぎょう)を行うことを前提(ぜんてい)として植(う)えられています。
手入れをせずに放置してしまうと、太陽の光がとどかずに栄養状態が(えいようじょうたい)悪くなり、森が本来(ほんらい)持つきのう(水をためてゆっくり流すはたらき、土砂くずれをふせぐはたらき、地球温暖化をふせぐはたらきなど)が十分(じゅうぶん)に発揮(はっき)できない状態になってしまいます。
人工林の木を大きくそだてるために、間伐によって元気な木を残し、「森林のはたらき」がきのうするように、
「伐(き)る→使(つか)う→植(う)える→育(そだ)てる」という森林の循環サイクルを行なっていくことが大切です。

森のサイクルはSDGs (エス・ディー・ジーズ)の5つの目標(もくひょう)と関係(かんけい)しています。
SDGsは「持続可能(じぞくかのう)な開発目標(かいはつもくひょう)」という意味の英語Sustainable Development Goalsの略(りゃく)のこと。
2015年に国連総会(こくれんそうかい)で決められた、2030年までに目指すべき17の目標を示(しめ)しています。
「持続可能な」というのは、「今だけでなく、ずっと続けていくことができる」ということ。
だからSDGsは「将来(しょうらい)の世代のための環境(かんきょう)や資源(しげん)をこわさずに、今の生活をより良い状態(じょうたい)にするための目標」ということです。

あんぜんな水とトイレを世界中に

つくる責任(せきにん)、つかう責任

気候変動(きこうへんどう)に具体的(ぐたいてき)な対策(たいさく)を

海のゆたかさを守ろう

陸のゆたかさも守ろう
手入れがされていない森は、大雨や台風などで木が倒れやすくなります。
倒れた木が道をふさぎ、通行(つうこう)や救助(きゅうじょ)のさまたげになることがあります。

木をきらないでいると、大変なことにつながってしまうんだね

森の循環サイクルをまわす大切さがわかってもらえたかな?

木をきる必要があったから、えんぴつとして生まれることができたんだね!
木の香りも森に行った気分になれるね。さっそく使ってみるね!
このえんぴつはどこで作られているの?

国内で檜(ヒノキ)が自然にそだつ地域(ちいき)として、もっとも北に位置(いち)するいわき。
東日本大震災(ひがしにほんだいしんさい)で、倒壊(とうかい)の危険が高まり、廃校(はいこう)となった「いわき市田人第二小学校南太平分校」の木造平屋校舎(もくぞうひらやこうしゃ)をできるだけ手を加えずに直して、えんぴつ作り(えんぴつづくり)を行っている、(株)磐城高箸の「旧校鉛筆」とのコラボレーションで誕生(たんじょう)しました。
きびしい環境(かんきょう)で育った市内のヒノキ間伐材から、このえんぴつは作られています。
けずった瞬間(しゅんかん)に、ふわりと香るヒノキのかおりを楽しんでください。

えんぴつができるまで
1.皮(かわ)むき
山林から運ばれてきた間伐材の皮をむきます。


2.玉切り
チェーンソーでえんぴつ分の長さに切ります。
3.みかん割り
みかんの房(ふさ)のかたち(ショートケーキのようなかたち)に間伐材丸太を割(わ)っていきます。


4.帯(おび)ノコ
ショートケーキを板にします。
5.乾燥(かんそう)
不良品(ふりょうひん)や端材(はざい)を薪(まき)ボイラーで燃(も)やし、その熱(ねつ)で板をかわかします。


6.横切(よこぎり)
板をえんぴつの長さにそろえます。
7.溝(みぞ)を入れる
芯(しん)を入れる部分(ぶぶん)を作ります。


8.貼り合せ(はりあわせ)
芯を入れた二枚の板をはり合わせます。
9.えんぴつの形に裁断(さいだん)
えんぴつの形にカットしていきます。


10.完成(かんせい)
名入れをしてできあがり!

