木から生まれたアイテムと一緒に森林のはたらきを考えよう

先生、えんぴつの箱(はこ)にかいてある、「間伐材(かんばつざい)」ってなんですか?

いいところに気づいたね!

間伐材や森は私たちの生活にひつような、水や空気につながっているんだよ。
いっしょに学んでいこう。

森林のはたらきって知っている?

日本の国土の約70%は森林。

森林はさまざまな場面(ばめん)で、私たちのくらしをささえています。
森林はどのように私たちとつながっているのでしょうか。

森林のはたらき①水の源を守る。そして水をためてゆっくり流すはたらき。水源涵養機能(すいげんかんようきのう)
森林のはたらき①水の源を守る。そして水をためてゆっくり流すはたらき。水源涵養機能(すいげんかんようきのう)

私たちがのむ水は、おもに森林で作られます。
森林にふった雨や雪は、すぐに森林から流れ出ることはなく、地中(ちちゅう)にしみこみ、地下水となりゆっくり流れでます。
地下水は、地層(ちそう)のすきまや、岩のわれ目を通るうちに適度(てきど)のミネラルがとけていくので、おいしい水になります。

また、雨がずっとふらなくても、川の水がなくなりません。
森は、雨のふる時とふらない時とで、川の水の量(りょう)の変化(へんか)を小さくしてくれています。

森林のはたらき②土砂崩れをふせぐはたらき。土砂流出・崩壊防止機能(どしゃりゅうしゅつ・ほうかいぼうしきのう)
森林のはたらき②土砂崩れをふせぐはたらき。土砂流出・崩壊防止機能(どしゃりゅうしゅつ・ほうかいぼうしきのう)
森の土の中は、木の根が網の目のように張り巡らされていて、森の土が流れたり、崩れるのを防いでくれる。
森の土の中は、木の根が網の目のように張り巡らされていて、森の土が流れたり、崩れるのを防いでくれる。

森の中では、強い雨が降っても、下草(したくさ)や落葉(らくよう)
腐葉土(ふようど)が、雨つぶのいきおいを弱めてくれ、ふかふかの土の中へ雨がしみこんでいくので、流れ出る土の量を大幅(おおはば)に少なくしてくれます。
そして、木の根の力で、土砂が流れ出たり、くずれたりするのを防(ふせ)いでくれています。

森林のはたらき③STOP the 地球温暖化。地球温暖化防止機能(ちきゅうおんだんかぼうしきのう)
森林のはたらき③STOP the 地球温暖化。地球温暖化防止機能(ちきゅうおんだんかぼうしきのう)

木は、葉っぱが光合成(こうごうせい)することで、小さな苗木(なえぎ)から大きな木に成長しながら、



空気中の“CO₂(二酸化炭素(にさんかたんそ))”をどんどんすいこんで、“C (炭素(たんそ))”として幹(みき)や枝(えだ)などに貯(た)めこんでいきます。
このはたらきが、地球温暖化防止に役立ってくれています。

CO₂をたくさん吸収する元気な
森林や若い森林をつくっていくことで、地球温暖化の防止に
貢献するんだ!
CO₂をたくさん吸収する元気な
森林や若い森林をつくっていくことで、地球温暖化の防止に
貢献するんだ!

地球温暖化のしくみ

地下にある石油などの化石資源(かせきしげん)を使いつづけていると、大気中のCO₂などの割合(わりあい)がどんどん増えて、地球が温室みたいに熱をため込んで、だんだん暖かくなっていっちゃうんだよ。世界では、このCO₂などの割合を少しでも減(へ)らしていこうとしているんだ。
 
※温室効果(おんしつこうか)ガス

たくさんの木が、地球温暖化(ちきゅうおんだんか)のおもな原因である
CO2(二酸化炭素(にさんかたんそ))をすいこみ、O2(酸素(さんそ))を作っています。

このほかにも、森は野生動物(やせいどうぶつ)のすみかになったり、キノコや果物などの食料、家や紙などを作るためにひつような木材などをはぐくんでいます。

森を歩くとここちよく、私たちにやすらぎをあたえてくれます。

そうなんだ!

木や森はぼくたちのしらないところで、たくさんのはたらきをしているんだね。

でも、このえんぴつやじょうぎは、木をきって作られているんでしょ?

森がなくなっちゃうんじゃないの?

そうだね。
でも、木をきるのは悪いことじゃないんだよ。

木をきって木材や木製品(もくせいひん)になっても、炭素(たんそ)は木の中に貯(たくわ)えられたままなのよ。
木材は、「炭素の缶詰(かんづめ)」とも言われていて、みのまわりのものを木製品に変えていくことは、大気中(たいきちゅう)の二酸化炭素を固定化(こていか)していることと同じとも言えるのよ。

大切な間伐などの森林整備
大切な間伐などの森林整備

森林を元気に大きくそだてるために、木をきって、木のこみぐあいをちょうせいする作業のことです。
森には2つのタイプがあります。

森のしゅるい

天然林(てんねんりん)

自然(しぜん)の力でどんぐりなどが発芽(はつが)して森林になったもの
世界遺産(せかいいさん)や自然公園(しぜんこうえん)などの守るべき森林がおおいので、とくに理由(りゆう)がないかぎり、木が大きく成長してもきることはない。

人工林(じんこうりん)

人の手で苗木(なえぎ)をうえてそだて、森林になったもの

人工林は木をうえたあとに間伐をおこなわないでいると、木どうしがこみあってしまい、太陽の光があたらなくなります。
手入れをされない人工林は、大きくそだつことができず、「森のはたらき」を十分(じゅうぶん)に発揮(はっき)できなくなってしまいます。

間伐は、森を大きくそだてるために必要なことなのです。

人工林は木をきらないと森がそだたないんだね!

そのとおり!

人工林は、言ってみれば「木の畑」。
うえられてから30~50年がたち、ちょうど収穫期(しゅうかくき)を迎(むか)えているのよ。

森林の循環(じゅんかん)サイクル

日本の国土の約70%は森です。
そのうちの約40%はスギやヒノキを中心とした人工林です。

人工林は、人が間伐作業(かんばつさぎょう)を行うことを前提(ぜんてい)として植(う)えられています。
手入れをせずに放置してしまうと、太陽の光がとどかずに栄養状態が(えいようじょうたい)悪くなり、森が本来(ほんらい)持つきのう(水をためてゆっくり流すはたらき土砂くずれをふせぐはたらき地球温暖化をふせぐはたらきなど)が十分(じゅうぶん)に発揮(はっき)できない状態になってしまいます。

人工林の木を大きくそだてるために、間伐によって元気な木を残し、「森林のはたらき」がきのうするように、




「伐(き)る→使(つか)う→植(う)える→育(そだ)てる」という森林の循環サイクルを行なっていくことが大切です。

きる→うえる→つかう→そだてる「森のサイクル」

森のサイクルはSDGs (エス・ディージーズ)の5つの目標(もくひょう)と関係(かんけい)しています。

SDGsは「持続可能(じぞくかのう)な開発目標(かいはつもくひょう)」という意味の英語Sustainable Development Goalsの略(りゃく)のこと。
2015年に国連総会(こくれんそうかい)で決められた、2030年までに目指すべき17の目標を示(しめ)しています。

「持続可能な」というのは、「今だけでなく、ずっと続けていくことができる」ということ。
だからSDGsは「将来(しょうらい)の世代のための環境(かんきょう)や資源(しげん)をこわさずに、今の生活をより良い状態(じょうたい)にするための目標」ということです。

目標6 水・衛生
目標6
あんぜんな水とトイレを世界中に
目標12 持続可能な消費と生産
目標12
つくる責任(せきにん)、つかう責任
目標13
気候変動(きこうへんどう)
に具体的(ぐたいてき)な対策(たいさく)を
目標14 海洋資源
目標14
海のゆたかさを守ろう
目標15 陸上資源
目標15
のゆたかさも守ろう

手入れがされていない森は、大雨や台風などで木が倒れやすくなります。
倒れた木が道をふさぎ、通行(つうこう)や救助(きゅうじょ)のさまたげになることがあります。

木をきらないでいると、大変なことにつながってしまうんだね

森の循環サイクルをまわす大切さがわかってもらえたかな?

木をきる必要があったから、えんぴつとして生まれることができたんだね!
木の香りも森に行った気分になれるね。さっそく使ってみるね!

このえんぴつはどこで作られているの?

国内で檜(ヒノキ)が自然にそだつ地域(ちいき)として、もっとも北に位置(いち)するいわき。

東日本大震災(ひがしにほんだいしんさい)で、倒壊(とうかい)の危険が高まり、廃校(はいこう)となった「いわき市田人第二小学校南太平分校」の木造平屋校舎(もくぞうひらやこうしゃ)をできるだけ手を加えずに直して、えんぴつ作り(えんぴつづくり)を行っている、(株)磐城高箸の「旧校鉛筆」とのコラボレーションで誕生(たんじょう)しました。

きびしい環境(かんきょう)で育った市内のヒノキ間伐材から、このえんぴつは作られています。

けずった瞬間(しゅんかん)に、ふわりと香るヒノキのかおりを楽しんでください。

えんぴつができるまで

1.皮(かわ)むき

山林から運ばれてきた間伐材の皮をむきます。

2.玉切り

チェーンソーでえんぴつ分の長さに切ります。

3.みかん割り

みかんの房(ふさ)のかたち(ショートケーキのようなかたち)に間伐材丸太を割(わ)っていきます。

4.帯(おび)ノコ

ショートケーキを板にします。

5.乾燥(かんそう)

不良品(ふりょうひん)や端材(はざい)を薪(まき)ボイラーで燃(も)やし、その熱(ねつ)で板をかわかします。

6.横切(よこぎり)

板をえんぴつの長さにそろえます。

7.溝(みぞ)を入れる

(しん)を入れる部分(ぶぶん)を作ります。

8.貼り合せ(はりあわせ)

芯を入れた二枚の板をはり合わせます。

9.えんぴつの形に裁断(さいだん)

えんぴつの形にカットしていきます。

10.完成(かんせい)

名入れをしてできあがり!

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